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『学問の技法』

 

橋本努著・ちくま新書・20131月刊行

 

ごあいさつ

 


 

謹啓

 

 本格的な冬の到来を迎えました。一年前も寒い冬でしたが、今冬はさらに輪をかけて寒さが厳しいように思われます。皆様、いかがお過ごしでしょうか。平素は、格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

 

 このたび、『学問の技法』(ちくま新書、2013.1.刊行)を上梓いたしました。ご笑覧を賜りたく、皆様にお送りする次第です。

 

 大学生になったら、あるいは社会人になったら、どんな風に学んでいったらよいのでしょうか。本書は、あしたのジョーの拳闘トレーナー、丹下段平に倣って、「あしたのために(その1)…」というような仕方で、いろいろと論じています。恥ずかしい部分も多いのですが、小生もようやくこの齢になって、学び方に関する本を刊行する決心がつきました。

 

本書は、約18年も前から、少しずつ書き溜めてきた原稿です。学生とのやり取りをするなかで生まれたものです。とりわけゼミの学生の皆様には、この場を借りて感謝申し上げます。

 

 本書は入門書ですが、その延長で小生のゼミでは、任意で行っている個人的なサブゼミというものがあります。例えば、英字新聞スクラップ、大学入試レベルの小論文、高校生向け「倫理」の勉強、データの収集、FMラジオのエアチェック、テレビ番組に関するエッセイ、図書館のビデオに関するエッセイ、新しいアイディアのメモ、辞書を用いた気になる用語調べ、読書レジュメ、等々の課題を、毎週こなしていきます。このようなトレーニングに、これまで数名の学生が挑戦してきました。いわば丹下段平とジョーの関係のような現場です。学ぶ喜びの記憶とともに、本書はあります。

 

 最後になりましたが、皆様のご健康を、心よりお祈り申し上げます。

 

 

謹白

 

20131

 橋本努